中国新聞


府中市 給食費未納の割合最高
367万円 法的措置検討


■広島県内 2005年度

 府中市立小、中学校の二〇〇五年度の給食費未納額が三百六十万円強に上り、給食費全体に占める未納割合は広島県内二十三市町で最高だったことが十四日、分かった。県東部四市二町の未納総額の半分以上を占め、集金事務を学校から市教委に移して激増した。府中を含む四市は「払えるのに払わない保護者が後を絶たない」とみて、法的措置の検討に入った。(木原慎二)

 四市二町では計二百四十五の公立小、中学校が学校給食(牛乳だけを含む)を実施。多くが一食二百〜二百数十円に設定している。給食費総額は二十一億百七十万四千円で、うち未納額は六百八十万三千円。未納の児童、生徒数は全体の0・6%に当たる計三百四十四人となっている。

 市町別の未納額では、府中市が三百六十七万七千円で最も高い。さらに福山市が二百十一万円▽尾道市が六十万三千円▽三原市が四十万八千円▽世羅町が五千円―の順で神石高原町はなかった。府中市は給食費総額に占める割合が2・3%で、県内で二番目に高い安芸太田町の1・1%を大きく上回り突出している。

 府中市は〇四年度、給食費徴収の原則を変更。児童、生徒の持参による学校集金から預貯金口座の引き落としにした。紛失防止や事務効率化を狙い、滞納者への請求など集金事務も各校から市教委に一元化した。その結果、〇三年度は四十一万円だった未納額が二年間で九倍と激増した。

 他の五市町では、各校が集金事務の全部か一部を担当。未納額の割合は県平均の0・2%以下にとどまる。府中市教委は「滞納が子どもに知られなくなり、安易に払わない保護者が増えた」と分析。強制執行などを想定した基準づくりを急ぐが、元の制度に戻す考えは今はないという。

 六市町教委は、経済的な理由の滞納には就学援助制度を勧めている。一方で「保護者の規範意識の欠如による滞納が多い」と指摘。法的措置を視野に早期通知や訪問指導を徹底する。

広島県東部公立小、中学校給食費の未納状況
(2005年度末、各市町教委まとめ)
 給食提供の
児童生徒数(人)
未納の
児童生徒数(人)
給食費
未納額(千円)
給食費総額に占める
未納割合(%)
府中市345617236772.3
福山市3639611321100.2
尾道市9602336030.2
三原市7186254080.2
世羅町14870.0
神石高原町8640.0
合計・平均5899134468030.3
※未納割合は小数点第2位を四捨五入して算出

(2007.2.15)


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