中国新聞


検診と分娩 完全分担
浜田圏域、開業医と病院が連携


 今夏から

 産婦人科医師不足に悩む浜田医療圏域(浜田市、江津市)で、妊婦健診と分娩(ぶんべん)を開業医と病院が分担する連携態勢が今夏スタートする。浜田保健所が提唱してこのほど開いた浜田圏域周産期医療連携体制検討会議で関係者が合意した。近くパンフレットを作り、妊婦らにPRする。

 浜田圏域の常勤産婦人科医は、浜田医療センターと済生会江津総合病院に二人ずつと、浜田市内の開業医二人の計六人。開業医のうち一人は二年前から分娩をやめて検診だけを行っている。もう一人も八月初めで分娩をやめ、検診だけとなる予定。このため圏域内で年間約七百件ある分娩が、八月以降は勤務医の四人に集中し、一人年百件までとされる限度を大幅に上回ることになる。

 検討会議には医師と浜田保健所、両市の関係者ら十六人が出席。連携態勢をつくることで合意。(1)「健診は開業医、分娩は病院」をPRするパンフを保健所が制作(2)開業医は妊娠三十四、五週で妊婦を病院へ紹介する(3)病院が休みの土曜日に開業医が診察を積極的に受け入れる−などを決めた。

 ただ、医療センターなど病院側は受診の規制まではしないため、うまくいくかどうかは妊婦らの協力がカギ。谷口栄作保健所長は「医師不足が続く限り根本的解決にはならないが、連携で勤務医の負担を少しでも和らげ、安全で安心できるお産に臨める態勢にしたい」と話している。(田中伸武)

(2007.3.22)


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