中国新聞


登校対策の小学校倍増
広島県教委指定校60に


 教員増でケア強化

 広島県教委は、通常より教員を多く配置して不登校対策に取り組む実践指定校で、小学校の指定校を昨年度の三十校から六十校に倍増させた。指定中学校で不登校が減る一方で小学校はわずかながらも増え、児童の指導態勢を充実させる。

 本年度は中学校一校とその近くにある小学校二校の計三校を一組として、三十組で九十校を指定した。昨年度は同一校区内の小中学校を一校ずつ、三十組で六十校を指定しており、小学校を三十校増やしている。

 指定校には通常より教員を一人多く配置する。不登校や、不登校になりそうな子どもを複数教員でケアする▽小中学校合同で連絡会議を開いて情報を共有化する―などに取り組む。

 昨年度の指定校六十校では、不登校の子どもの数が指定前の七百六十八人から13・2%減の六百六十七人になった。

 中学校では五百七十二人と、指定前の六百七十五人から15・3%減少した。三十校のうち二十一校で減り、欠席がちな子どもへの家庭訪問や保護者と連携した早期対応が奏功したという。

 小学校では九十五人と、指定前の九十三人から2・2%増加した。三十校のうち十二校は減らし、八校は横ばいだったが、十校で増えた。組織的な取り組みが不十分だったり、保護者との連携がうまく進まなかったりしたのが原因という。

 県教委は不登校を減らすには小学校の態勢強化が必要とみて、一層の小中学校の連携を図る。昨年度の指定校の成果も研修などを通じて広め、二〇〇五年度に県内の小中学校で計三千二百二十一人だった不登校の児童・生徒を減らしていく。(村田拓也)

(2007.4.27)


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