中国新聞


公立校教員採用
広島、15年ぶり500人台


 ■岡山・島根も増 大量退職に備え

 広島県教委は十一日、広島市教委と合わせた二〇〇八年度の公立学校の教員採用予定数を発表した。〇七年度実績より八十五人多い五百五人を予定し、〇九年度以降に本格化する大量退職に備える。中国地方では、計画を未公表の山口を除く四県教委のうち、鳥取以外の三県教委は採用を増やす計画でいる。(村田拓也)

グラフ「中国5県の公立学校教員採用数の推移」

 広島が五百人を超える教員を採用するのは、一九九三年度の五百四十四人以来、十五年ぶり。内訳は小学校三百人▽中学校百十人▽高校五十人▽特別支援学校三十人▽養護教諭十五人―となる。

 県教委によると〇九年度以降は毎年、千〜四百人前後の定年退職者が見込まれる。教員の年齢構成を平準化し、優秀な人材を確保するためにも前倒しして採用を増やす。榎田好一教育長は記者会見で「この採用水準が少なくとも五年は続く」と述べ、今後も積極採用を進める考えを示した。

 中国地方では、岡山は三百四十人と〇七年度実績に七十一人を上積み。島根も百四十八人と四十七人増やし、いずれも退職者増に対応する。鳥取は「子どもの数が減り、学校の統廃合も進む」とみて、五十三人と二十七人減らした。十五日に公表予定の山口は、百五十九人を採った「〇七年度並み」としている。

 〇八年度の教員採用では、兵庫が初めて広島市内で小学校の一次試験をするなど、県境を越えて優秀な人材を求める動きが活発になっている。広島県教委の榎田教育長は「人材の取り合いはあるが、広報活動に力を入れ広島の教育に携わりたい人を採用したい」としている。

(2007.5.12)


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