中国新聞


子育て 地域に「まかせて」
三次市のサポート事業好評


 利用数3倍以上に

 住民同士で子育てを助け合う三次市の子育てサポート事業の利用数が伸びている。「おねがい会員」の子どもを「まかせて会員」が自宅で預かる仕組み。月平均の利用数は昨年度、事業が始まった二〇〇二年度の三倍以上に増加し、地域の子育て支援の広がりに期待が高まる。(衣川圭)

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預かった雄翔君とおもちゃで遊ぶ河村さん

 残業、通院時の託児や保育園の送迎を頼むおねがい会員の利用料は一時間三百円。市が三百円を助成し計六百円がまかせて会員の報酬となる。当初は月五十件前後だった利用数は、〇六年度月平均は百六十件に上った。市すくすく育児支援室は、女性が責任ある立場になって残業をしたり、育児中にキャリアアップの習い事に通うケースが増えているとみる。

 毎週水曜朝、東酒屋町の主婦河村理恵さん(36)の部屋に、近くの主婦伊藤有美さん(39)が二男の雄翔君(2)を連れて来る。伊藤さんは習い事に通う時間。雄翔君は河村さんとおもちゃで遊んだり、絵を描いたりして二時間を過ごした。

 伊藤さんは「近くに預けるところがなく、病院に行けず困ったこともあった。主婦でもリフレッシュできるのがいい」と喜ぶ。河村さんも「こちらも生活が引きしまる。幼稚園に上がる前の自分の子も、いろんな子と遊べて良かった」と話す。

 四月末現在、講習を受けて登録したまかせて会員は百七人。ゼロ歳から小学三年までの対象児のいるおねがい会員は五百九十二人で、両方の会員もいる。今月中旬の講習には、子育て中の母親や年配夫婦たち二十三人が参加。十五人がまかせて会員に登録した。

 同室の福永清三室長は「周辺部の会員が少ないのが課題。地域の子育て総合力を増して、少子化に歯止めをかけたい」と期待している。同室Tel0824(62)6148。

(2007.5.25)


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