中国新聞


いじめ悩まずにカードで伝えて
山口県教委、全小中学生に配布


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 山口県教委は、県内すべての小中学生約十二万人に、悩みなどを記入する「いじめ相談カード」=写真=を配布する。校内に設ける相談箱に入れてもらい、問題の早期発見につなげる。

 カードは生徒手帳などに入れて持ち歩けるよう縦一二センチ、横八・五センチとし、半分に折り畳める。外側の面で一人で悩まず相談するように呼び掛け、「友達に無視される」「メールで悪口を流される」などのいじめの具体例を提示。悩みは内側に書き込んでもらう。ふれあいテレホンなど相談機関の電話番号も印刷している。

 カードは、小学低学年と高学年、中学生の三種類。六月一日から学期ごとに配布する。各校は相談箱を教育相談室や保健室の前に置き、定期的に開ける。名前が記入してあれば個別に話を聞く。具体的な内容でなくても、教員の状況把握のきっかけに役立てる。

 県教委によると、県内のいじめ件数は二〇〇一年度の六百八十三件から〇五年度は三百七十六件と減少傾向にある。しかし、〇五年の光高爆発事件や下関市の女子中学生自殺の背景には、いずれもいじめがあったとみている。

 県教委学校安全管理室は「教師や親に悩みを言えずにいる児童・生徒たちが相談しようと思うきっかけにしたい。各校には慎重なケアも求めたい」としている。(高橋清子)

(2007.5.31)


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