中国新聞


児童虐待 最多304件
06年度 防止法施行後の山口県内


 実母69% 実父以外の父21% −過半数は育児放棄

 山口県内の児童相談所で二〇〇六年度に確認された児童虐待の件数は三百四件で、前年度の百九十七件に比べて約一・五倍だったことが県のまとめでわかった。二〇〇〇年の児童虐待防止法が施行されて以来、最も多い。県は「相談窓口の充実で見過ごされていたケースも寄せられている」と分析している。(高橋清子)

グラフ

 児童相談所は、中央、岩国、周南、下関、萩の五カ所。相談者は学校が九十一件(29・9%)で最多。市福祉事務所六十件(19・7%)、家族四十件(13・2%)、警察三十八件(12・5%)、近所十七件(5・6%)と続く。

 前年度に比べて学校四十一件、市福祉事務所三十三件、警察二十五件の増加が目立つ。

 虐待者は「実母」が二百十人で69・1%を占めた。次いで「実父以外の父親」が六十四人で21・1%。虐待の内容では、面倒をみないなどのネグレクト(育児放棄)が58・6%、身体的虐待25・7%、心理的虐待15・8%だった。

 被害児は小学生が百四十一人で46・4%と最も多く、三歳から小学校入学前が五十七人で18・8%、中学生五十四人で17・8%など。

 県は確認件数が多くなった要因について、二年前の児童福祉法の改正に伴う市町の相談窓口の開設や市町、学校、警察などが連携した対応マニュアルの作成などを挙げている。

 県こども未来課の藤村恭久主幹は「ささいな出来事での相談も増え、重大になる前に防げる可能性が広がった」と受け止めている。

(2007.6.5)


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