中国新聞


街頭見守りに転換
広島市・矢野西小の登下校同伴


 PTAの負担軽減

 二〇〇五年十一月、広島市安芸区で起きた木下あいりちゃん事件直後から、児童の集団登下校に付き添いを続けている矢野西小PTAは二十日、保護者の負担軽減を柱にした新体制の見守り活動をスタートさせた。ほとんどの通学路で当番制による同伴から街頭に立つ方式に転換。児童の安全確保と息の長い活動の両立を図る。(久保田剛)

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通学路に立つ保護者に見守られながら集団下校する矢野西小の児童たち(20日午後4時15分、広島市安芸区矢野西4丁目)

 新体制では登下校ルートの一〜五カ所程度に保護者が立つ。付き添い方式と比べ、保護者の当番回数は大幅に減る。地域のボランティアと立ち位置を振り分け、交差点や人通りの少ない場所を中心に見守る。移行期間のため、今週は教職員が同伴。低学年だけが登校する日は保護者の付き添いを続ける方針だ。

 同小は昨年九月、登下校グループの五、六年生らを「班長」にし、当番の保護者と下級生の面倒を見るようにした。十二月には保護者の同伴区間を縮小。段階的に負担軽減を図ってきた。土田真理子校長は「上級生の自覚が芽生え、点呼も自分たちでできる。子どもたちの成長が体制見直しにつながった」と言う。

 「事件防止にはある程度の苦労は仕方ないのでは」。見直しには反対の声も。PTAの川田秀司会長は「一カ月をめどに検証し問題点があれば対応したい。保護者や地域住民の連携が深まり、地域で子どもを守るという機運は飛躍的に高まっている」と話している。

(2007.6.21)


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