中国新聞


「活性化」教職員の2割
岡山県教委の評価システムアンケート


 肯定的校長 半数割る

 岡山県教委が昨年度から全公立校に導入した教職員評価システムに対する教職員アンケートで、システムが「学校組織の活性化につながった」とする回答は二割以下にとどまったことが分かった。校長の肯定的な回答も半数を割り、県教委は事例集の配布などを通じ成果の向上を図る。(加納優)

グラフ「評価システム」

 評価システムは教職員の資質向上や学校の活性化を狙い、二〇〇五年度に一部校で試行、昨年度から公立六百八十校に全面導入した。校長が定める学校運営目標に沿って、教職員が「教科指導」「教科以外の指導」「校務分掌等」の目標を設定。面談や取り組み状況を基に、校長と教頭が五段階で評価する。

 県教委は成果や課題を把握するため、今年二月に全教職員の約一割に当たる千三百八十五人、全校長の半数三百八十六人を抽出しアンケートを実施。「学校組織が活性化したと思う」と回答した教職員は18・3%、「思わない」が15・5%、「どちらとも言えない」が最多の66・2%だった。管理職である校長も、「活性化した」との意見は47・5%で、「どちらとも言えない」の48・1%を下回った。

 また、教職員の資質向上につながったかとの問いでは、肯定的な意見が校長は55・0%だったのに対し、教職員は28・5%と認識の差も表れた。

 県教委教職員課は「導入一年目で、制度への理解が十分進んでいない」と分析。事例集の配布や管理職研修会を通じてシステムの趣旨や評価方法の浸透を図る一方、運用上の成果や課題の検証も続ける。給与など待遇への反映は「検討中」(同課)としている。

(2007.6.21)


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