中国新聞


子ども条例へ検討会議
広島市、来年度の制定目指す


 専門家ら人選、2人公募

 「子どもの権利に関する条例」の制定準備を進める広島市は、近く、市民代表を交えて条例案の骨子をまとめるための検討会議を設置する。二〇〇八年度中の制定を目指す。(田中美千子)

 虐待やいじめ、子どもを狙った犯罪などが絶えない現状を受け、市は昨年末、条例制定に向け本格的な内部検討に着手。十八歳未満の子どもを人権侵害から守り、健やかに成長できる社会の実現を目指すため、条例制定に当たっての基本的な考え方、条文に盛り込む主な内容などを検討会議で討議してもらうことにした。

 学識経験者ら委員八人の人選を進めるとともに、ほかに市民委員二人を公募する。

 市議会などからは「当事者である子どもも制定に参画すべきだ」との意見がある。このため市は、子ども委員会の設置も視野に入れている。検討会議で、子どもの意見を反映させる手法も考えてもらう。

 検討会議は十月以降、来年三月までに四回開く。市民委員は市内在住の十八歳以上が条件で、未成年者は保護者の同意が必要。「子どもの権利について」をテーマに千二百字以内の小論文を提出する。募集期間は八月一〜二十日(消印有効)。市人権啓発部Tel082(504)2165。


子どもの権利条例 国連総会で1989年、18歳未満を児童とし、包括的な権利の保障を定めた「児童の権利条約」が採択され、日本は94年に批准した。条約の精神を踏まえ、川崎市が2000年に地域の実情に沿った国内初の条例を制定。岐阜県多治見市や富山県魚津市などが続いた。政令市では広島市のほか、札幌、新潟、名古屋の3市が検討中。

(2007.7.26)


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