中国新聞


子どもの絵「解体新書」
山口県内の教師ら指導法出版


 山口県内の教師でつくる県造形教育研究会は、園児や児童、生徒の絵画指導に役立ててもらおうと、解説書「子どもの絵は語る」を出版した。実際の作品を取り上げ、表現のポイントを示し、発達段階に応じた技法や表現のアドバイスの仕方を解説している。

 園児から高校生までの絵画、版画、デザイン画を約百三十点収録している。一九九八年に改定の学習指導要領に基づいて学んだ児童、生徒らの作品で、毎年秋にある県学校美術展覧会の出品作が中心。見開きで掲載し、子どもの主体性を重視した指導の成果を紹介している。

 作品ごとの印象を「自分の表現方法を広げ、楽しみながら取り組んだ」「心に刻まれた情景を思い出して丁寧に表現」などと説明。構図、色の濃淡、画材の選び方など技法や表現のポイントを記述し、「子どもと絵を通して会話するつもりで」「素直な線を引き出すよう支援を」と適切な助言方法を示している。

 研究会の教諭ら約四十人が執筆。監修した山口大教育学部(美術教育学)の福田隆真教授は「成長に合わせて描く技法を教えられると、子どもは伸びる。美術を勉強する機会が少ない先生の参考になれば」と活用を呼び掛けている。

 一冊千八百九十円(三晃書房)。全国の書店で取り扱っている。福田教授Tel083(933)5370。(高橋清子)

(2007.8.7)


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