中国新聞


いじめ・不登校の防止策 小中10校で研究
10月から 広島市教委


 広島市教委は、いじめや不登校などを未然に防ぐ指導法の確立を目指して、十月から小中学校の指定校十校で実践研究を始める。広島大の研究者の助言を得ながら、来年度中に指導プログラムを策定、全市へ普及させる方針。

 二葉中(東区)井口台中(西区)など中学校四校と、四中学校区内にある小学校六校。各校は「人間関係づくり推進」「いじめ・不登校などへの早期支援」の二つの柱で実践研究に取り組む。

 「人間関係づくり推進」では、いじめは、いじめる側の対人関係能力の未熟さに起因するとの考えから、授業などに一日三十分以上のグループワークを組み込み、コミュニケーション能力の醸成を図る。

 物の貸し借りをする場面などを想定し、人との接し方をシミュレーションしてみる「ソーシャルスキルトレーニング」やグループ対抗のゲームを取り入れるなど、それぞれ手法を工夫する。

 「いじめ・不登校などへの早期支援」は不登校などの予兆を早い時期に察知し、問題を抱える子どもを学校全体で支えるシステムの構築を図る。

 各指定校は週一回程度、学内会議を開催。スクールカウンセラーを交え、欠席が続いたり、学校での過ごし方に変化が表れたりしている子どもがいないか情報交換し、問題の原因や有効な対処法を探る。

 研究は文部科学省の委託事業。経費は全額国が負担する。本年度分は二百九十二万円。広島大大学院教育学研究科が協力し、プログラム作りや教員研修にあたる。(田中美千子)

(2007.8.9)


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