中国新聞


岡山県内公立小中高
いじめ4倍に急増(前年度比)
06年度1803件 従来の定義改定


photo

 二〇〇六年度に岡山県内の公立小中高校などが認知したいじめの件数が千八百三件に上ったことが、県教委の調査で分かった。いじめの定義が変わったこともあり、〇五年度(四百五十六件)の四倍に急増。校内外での暴力行為も一・五倍に増えている。

 いじめの校種別内訳は、小学七百七十一件、中学八百八十三件、高校百四十三件、特別支援学校六件。中でも、小学は〇五年度(百三十七件)比で五・六倍と急増ぶりが際立っている。

 内容(複数回答)は「悪口やからかいなど」が千二百三件と全体の三分の二を占め、「仲間はずれや無視」が四百六十八件、「軽くたたく・ける」が三百五十七件で続いた。「パソコンや携帯電話のメール等での中傷」も五十四件あった。

 昨年、全国でいじめを苦にした児童・生徒の自殺が多発したのを受け、文部科学省は「一方的」「深刻な苦痛」などとしていた従来の定義を、「一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と改めた。

 県教委指導課はこうした定義変更に加え、「いじめに関する教職員や子どもの意識が高まった結果ではないか」と分析する。

 一方、教師の胸ぐらをつかんだり、いすを投げたりするなどの「暴力行為」も〇五年度の一・五倍となる九百七十六件に増加。小学生が約三倍の百五十三件、高校生も約二倍の百五十四件と大幅に増えた。

 県教委は本年度、臨床心理士の派遣や校内研修を通じて児童・生徒指導の充実を図る方針でいる。(加納優)

(2007.9.12)


子育てのページTOPへ