中国新聞


「中国産野菜」残留農薬 自主検査
広島市給食会


 調査結果は学校に通知 安全&割安 両にらみ

 広島市教委が市内の小中学校の給食の運営を委託している財団法人の市学校給食会が、調達する食材のうち中国産野菜を対象にした残留農薬の自主検査をスタートした。県内の市では、現時点で唯一の措置。同市はコスト面などから食材の一部を中国産に依存しており、安全確保とのジレンマを抱えながら、安全性に目を光らせている。

 給食会は一部の県立学校も合わせて小中学校など二百九校、一日に約九万三千二百食分の食材を一括購入している。中国産の自主検査は市教委の方針で七月に開始。食材のサンプルを納入業者から取り寄せ、広島市内の検査機関に依頼する方法で既に二回、実施した。

 一回目は枝豆、サヤインゲン、キヌサヤ、キクラゲについて残留農薬は検出されなかった。二十五日に実施した冷凍チンゲンサイと干しシイタケは調査中。結果は市教委を通じて各学校にも通知している。

 給食会によると、同市の学校給食に使う野菜に中国産が占める割合は今年四月で三・七%、五月は二・三%。福山市の四月〇・五%、五月〇・一%に比べても高い。県内では呉市のように使っていない自治体もあるが、広島市の場合は大量に一括購入し、かつコストを抑えるためには、国内産だけでは賄いきれないという。

 昨年九月、福岡市で中国産の冷凍キヌサヤから基準値を超える残留農薬が検出されるなど、中国産食材への不安が出ている。こうした状況を受け、給食会が市教委と協議して自主検査に踏み切った。渡部浩司事務局長(61)は「中国産がすべて危険というわけではないが、心配する保護者も多い。子どもたちに供給している食材は安全という裏付けをとっておきたい」と説明している。(新宅愛)

(2007.9.30)


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