中国新聞


中傷書き込みはいじめ
携帯電話使用にルール
広島県教委 指導資料を配布


 広島県教委は、携帯電話をテーマにした生徒指導資料を初めて作成した。インターネットの有害情報にさらされたり、掲示板で中傷されたりするなどのトラブルに子どもが巻き込まれるのを防ぐのがねらい。全公立学校に配布し、児童、生徒の指導に役立てるほか、保護者への助言などにも用いる。

 資料では、携帯電話で出会い系サイトなどの有害情報に触れたり、掲示板にいじめにつながる中傷を書き込んだりすることで、子どもが被害者にも加害者にもなり得ると指摘。携帯電話など情報通信機器の適切な使用の指導が大切だと強調している。

 具体的な指導ポイントとして、学校では(1)携帯電話のメリット、デメリットを繰り返し周知する(2)掲示板への中傷の書き込みはいじめであると認識させる―など九項目を明記した。家庭向けにも(1)子どもが携帯電話を持つべきかを事前に検討する(2)使い方などで明確なルールを定める―など四項目を例示した。

 トラブルに巻き込まれた場合の対処方法も盛り込んだ。中傷する書き込みなどを見つけた場合には、アドレスや書き込み日時を記録する。県警や消費生活センターなどの窓口も紹介している。

 資料はA4判、七ページ。市町教育長や県立学校長を通じて教員に配り、県教委のホームページにも掲載した。県教委指導三課は「親子でマナーを話し合うきっかけにもしてほしい」としている。

 県教委がまとめた二〇〇六年度の問題行動調査(速報)によると、県内の公立学校で起きたいじめ七百八十四件のうち「パソコンや携帯電話で、中傷やいやなことをされた」は計四十件(複数回答)。内訳は、小学校四件▽中学校二十一件▽高校十四件▽特別支援学校一件―となっている。(村田拓也)

(2007.10.23)


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