中国新聞


児童宿泊 田舎元気に
浜田市 邑智郡 隠岐島前
交流受け皿 3地域名乗り


 小学生に農家などで約一週間の宿泊体験をさせる国の「子ども農山漁村交流プロジェクト」で、二〇〇八年度に先行的に児童を受け入れるモデル地域として、県内から浜田市、邑智郡、隠岐島前の三地域が名乗りを上げていることが分かった。モデル地域に選ばれると、県内の小学校から年間で千人近い児童が宿泊するだけに期待も高まっている。

 いずれの地域も、県が十月中旬までに実施した事前調査で「一度に百人以上の児童が農家などに泊まれる」として受け入れの意向を示した。

 このうち邑智郡では、田舎体験を売り物にする十数軒の民宿や民泊を抱える邑南町が「単独でも受け入れ可」と表明。美郷町は、民宿でない農家が主体のため百人規模に達しないが、昨年度から大和地域の農家が高校生を泊めて和牛の世話などを体験させている実績から、「郡で受け入れたい」と回答。県が郡エリアを候補とした。

 邑南町田舎ツーリズム推進研究会の日高幸二会長は「学年単位で一週間泊まってくれれば経済効果は大きく、農家民宿・民泊が活気づく」と期待する。

 浜田市は、弥栄町の宿泊研修施設「ふるさと体験村」などを活用する計画。隠岐島前は県隠岐支庁と海士、西ノ島、知夫の三町村が主体となり、水産物加工や民謡の体験などのメニューの検討を進めている。

 モデル地域の正式な募集は、県があらためて実施。名乗りが挙がった中から三地域を国に推薦し、受け入れ可能な農家数や過去の実績などから、国が一地域を選定する。モデル地域を訪れる約十校は、県内の小学校を想定。今後、学校側の希望を募る。(馬場洋太)

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クリック 子ども農山漁村交流プロジェクト

 総務、文部科学、農林水産の三省の連携事業。児童が農家や漁家などに泊まり、産業体験をしたり地域行事に参加したりする。スタートの2008年度は全国40カ所の受け入れモデル地域と、都道府県で各10校程度の参加モデル校を選定し、児童の宿泊費や旅費などは公費負担の計画。

(2007.11.11)


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