中国新聞


中学まで医療費無料
島根・吉賀町 定住促進へ来年度から


 島根県吉賀町は二〇〇八年度から、子育て支援を通じた定住促進対策の一環として、中学生までの子どもの入通院医療費を無料にする。中学校卒業まで無料化するのは県内で初。中国地方では美作市など岡山県の六市町村が実施している。

 十日の町議会定例会一般質問で、中谷勝町長が「若い人が住みたい町を目指し、義務教育者までの医療費を負担したい」と答弁し、中学生までの医療費について来年度から公費負担とする方針を示した。

 町内では現在、就学前の子どもは三百九人、小中学生が五百六十七人。昨年度の医療費実績などを基にした試算では、年間約二千万円かかると見込まれる。財源は朝倉小学校の給食調理場廃止や町職員給与カットに伴う削減経費などを充てる。来年度の一般会計当初予算案に盛り込む方針。

 医療機関での無料券提示など具体的な対応手続きは来年三月末までにまとめる。中谷町長は「原油高などで生活費がかさむ中、(家庭が)想定できない医療費を負担し、子育て世代を応援したい。若者世代に住みやすい町として定住者の増加につながれば喜ばしい」と話している。(谷本和久)

(2007.12.11)


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