中国新聞


交流と協力 笑顔生む
双子の子育て 実践編


 双子の子育てには、育児協力者や同じ立場のママ友との交流が、とりわけ大きな力を発揮する―。生後四カ月と二歳の二組の双子を育てている母親や、双子の親たちのサークルで活動しているメンバーに聞くと、周囲の支援者や仲間の大切さが浮かび上がってくる。

 「双子を産むのが夢だった。でも、まさか二組も生まれるなんて」。広島市安佐南区の主婦船木典子さん(36)は、二〇〇五年四月に優太ちゃん(2)と涼太ちゃん(2)の男の子の双子を出産。続いて今年七月、美緒ちゃんと莉子ちゃんの女の子の双子を産み、生後五カ月を迎える。

 夫で会社員の崇光さん(33)が仕事に出た後は、幼い四人の子育ては典子さんに任される。めまぐるしく忙しい。寝るのは午前三時を回る。それでも「苦にならない。お兄ちゃん二人のやんちゃが大変ですけど」と笑う。

 典子さんは、兄二人の妊娠中に、双子用の育児本を毎日のように読んでシミュレーション。「だから、あまり戸惑いませんでした」。崇光さんも家にいるときは「何でもやります」。二人のパートナーシップは固い。

 さらに祖父母の支援もある。典子さんは毎日夕方六時ごろから約二時間、車で十五分の実家で過ごし、両親の手を借りながら子ども四人と自身の夕食をすませる。「この二時間が大事なストレス解消の時間」という。二週間に一度は、広島県海田町に住む夫の両親が男の子二人を丸一日預かってくれる。「本当に助かる。ありがたく思っています」

 仲間同士で支え合う母親たちもいる。福山市新涯町のまこと保育園では毎月二回、双子や三つ子など多胎児の家族のサークル「ツインズファミリー」の活動が続いている。メンバーの主婦今岡麻住さん(29)は「同じ悩みを共有できるママ友ができると、世界が広がります」と自身の経験を踏まえて強調する。

 三歳の男女の双子がいる今岡さんは、二人が一歳になるまでは家にとじこりがちだったという。サークルに入り、仲間ができて「気持ちがものすごく楽になった」と打ち明ける。多胎児ならではの悩みを相談し合ったり、子ども用品を譲り合ったり。現在二十九家族が登録している。

 今岡さんは「双子を妊娠したときからサークルを知っていたら、どんなに心強かったかと思う。多胎児の子育て中のみなさん。ぜひ連絡を」と訴えている。連絡先は福山市社会福祉協議会内Tel084(928)1346。

 双子の母親たちでつくる全国組織「ツインマザースクラブ」の中国地区も年に一、二回の集会を開き、交流を深めている。月曜日を除く平日の午前十時から午後二時まで相談を受け付ける「ツインライン」=Tel03(5337)0766=も開設。同クラブ中国地区の国本葉子さん=広島市南区=は「気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。(平井敦子)

(2007.12.17)


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