中国新聞


インタビュー
行員の支援ニーズ分析
「子育てにやさしい企業」に認定された西京銀行人事部 丸山沙由里さん


photo
「子育て支援の充実は優秀な人材の確保につながる」

 「子育てにやさしい企業」として、県内で初めて山口労働局から認定された西京銀行(周南市)。二〇〇五年四月に全面施行された次世代育成支援対策推進法に基づき、再雇用制度や短時間勤務制度などを積極的に導入してきたことが評価された。法が義務づける行動計画の策定から携わる人事部の丸山沙由里さんに、子育て支援策充実の狙いや今後の取り組みを聞いた。(山瀬隆弘)

 ―県内初認定をどう受け止めましたか。

 子育てに優しい企業を目指す上で、ようやくスタート地点に立った。大変うれしいが、行内で支援制度の認知度を高める努力や運用しやすい環境の整備など、取り組むべき内容はまだまだ多い。

 ―〇五年四月にまとめ、昨年九月末までを実施期間とした行動計画はどのような内容ですか。

 出産や育児を理由とした退職者の再雇用や未就学児を抱える保護者の短時間勤務、子どもの看護を目的とした休暇の創設などを盛り込んだ。加えて、看護休暇を有給に切り替え、育児休業の期限を一年から三年に延長するなどの充実を図った。

 ―行動計画や支援制度の策定で、何を重視しましたか。

 ニーズの把握に努めた。〇四年十一月に全行員が閲覧できるイントラネット回線で、子育て支援の理想像などをアンケート。三百九十件の回答を分析し、必要な制度を導き出した。育児休業者とのコミュニケーションにも力を入れている。

 ―具体的には。

 昨年四月から月一回、人事部ニュースを休業者に届け、銀行でのイベントや新商品の紹介などをしている。これまで休業者との連絡は所属長に任せ、中には徹底されずに疎外感を受けるケースもあったが、改めた。ニュースに返信する形で毎月一回のリポート提出も求め、制度利用者の視点に立った改善点を提案してもらっている。

 ―相次ぐ支援策の効果はいかがですか。

 現在八人が育児休業に入り、三月には十三人程度になる見込みだ。数年前の年二、三人と比べ格段に増えた。経験豊かな優秀な人材が辞めずに残ってくれているのは目に見える実績だ。今後は、妊娠判明時からのフォローを検討するとともに、管理職の理解も深めて、各種の子育て支援をより実効性あるものにしていきたい。

(2008.2.1)


子育てのページTOPへ