中国新聞


子ども用携帯、機種花盛り
防犯効果に親が注目


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NTTドコモの販売店に設けられた「キッズケータイ」のコーナー(広島市中区)

 入学シーズンを前に、携帯電話各社が衛星利用測位システム(GPS)機能付きの子ども用携帯電話の販売に力を入れている。防犯面から習い事や塾に通う小学生に持たせたいという親が増加。子どもの居場所を確認できる位置情報や、防犯ブザーといった基本的な機能に、置き忘れ防止や防水、防犯ランプなどの新機能を加えた商品も登場し、デザイン性もアップしている。

 共通するのは、子ども用携帯の防犯ブザーを鳴らしたり電源を切ったりすると、親の携帯にメールで位置を知らせる機能。追加サービスに入れば、親の携帯やパソコンでいつでも子どもの居場所を確かめられる。電話の電池は不審者に抜かれないよう、特殊な工具でしか外せない。各社独自の機能もあり、デザインも競い合っている。

 防水もばっちり

 NTTドコモ中国(広島市中区)は昨年十二月、子ども用携帯「キッズケータイ」二代目の新商品「F801i」を発売。子どもが付属の小型リモコンを専用リストバンドなどで身に着けていれば、携帯との距離が一定以上離れた場合にアラームで知らせる置き忘れ防止機能を追加した。子どもがうっかり携帯を水に浸すことも考慮し、防水機能も加えた。

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(上)ソフトバンクの「コドモバイル」の新商品。子どもに人気のキャラクターを待ち受け画面に採用した (下)防犯ブザーを鳴らすストラップが付いたauの「ジュニアケータイ」

 デザインは従来の丸い感じから四角いイメージに変え、色も水色、オレンジ、白、黒の四色を用意した。営業企画部の木戸博也部長は「小学生の低学年だけではなく、中、高学年にもかっこいい、欲しいと思ってもらえるデザインにした」と説明。NTTドコモグループは一昨年三月にキッズケータイを発売以来、全国で約五十万台を販売している。

 ソフトバンクモバイル(東京)も九日、子ども用携帯「コドモバイル」二代目の新商品「820T」を発売する。NTTドコモと同様に、デザインを少し大人っぽくして、色は従来の青とピンクに白を追加して三色にした。携帯の待ち受け画面には、ハローキティやスヌーピーなどのキャラクターを採用した。

 特徴的な機能は、防犯ブザー用のストラップを引くと同時に点滅して危険を周囲に知らせる防犯ランプ。三百二十四万画素の高機能カメラも備えている。中四国エリア支援課の山田克志課長は「虫でも植物でも、きれいな写真を撮って楽しんでもらいたい」とアピールする。

 アクセス制限も

 KDDI(au、東京)は昨年三月、子ども用携帯「ジュニアケータイ」三代目の「A5525SA」を発売した。防犯ブザーのストラップを引くと、現場の写真を自動的に撮影し、子どもの居場所を示す位置情報と一緒に親の携帯にメール送信する。申し込めば、緊急時には警備員が駆け付けるセコム(東京)のサービス「ココセコム」の利用も可能だ。

 デザインは北欧の丁寧に作られた玩具のイメージで、青、緑、赤の三色を用意。今月中旬には、水色とピンクの二色を追加する。

 各社の子ども用携帯はいずれもオープン価格で、販売店ごとに価格が異なる。各社とも小学生向けの割引を用意する利用料金は、最低で月七百三十五―千五百七十五円の基本使用料に加え、通信料や位置情報サービス料などが必要。キャンペーンとして基本使用料を無料にする会社もある。

 親にとって心配なのが、使いすぎや、有害サイトへのアクセス。各社とも通話時間や、インターネットへのアクセスを制限するサービスを提供している。

 KDDIコンシューマ中国支社au営業部営業推進グループの舟木弘課長補佐は「子ども用携帯は親の携帯と同じ会社でなければ使えない機能もある。子ども用携帯で選んでもらえば、親の携帯も獲得できる」と戦略上の重要性も強調する。(金谷明彦)

(2008.2.9)


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