中国新聞


学力テスト「思考・表現力に課題」
授業改善策盛る
広島県検証委報告書 小中で活用へ


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全国学力テストの分析結果を榎田教育長(右)に説明する角屋委員長

 文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を分析していた広島県検証改善委員会(委員長・角屋重樹広島大大学院教授)は十三日、授業の改善策などを盛り込んだ報告書をまとめた。県教委は報告書を全公立小中学校に配布し、教職員の指導力向上などに役立てる。

 報告書は、身に付けるべき知識を問うA問題と、知識や技能を活用する力などをみるB問題の結果を踏まえ、「知識や技能を活用して思考・表現する力に課題がある」と総括した。

 A、B問題とも正答率が全国平均を上回った学校は、いずれも下回った学校と比べ、教師が(1)基礎を定着させる(2)実生活と関連づける(3)自分の考えを書かせる(4)言語技術を活用する―との観点を重視して指導している傾向が出た。

 生活習慣では、日々のニュースに関心があり、予習復習をしている子どもの正答率が高い―などの結果が出たという。

 このため、広く知識・技能を習得する▽論理的に表現する力を高める▽思考力・判断力を高める▽学ぶ意欲を高める―の四つの視点から授業を進めることが大切だと指摘。工夫した授業の事例をまとめたDVDも制作した。

 角屋委員長は「授業改善には何が必要かのエッセンスを学び、自分たちの学校に合うように工夫してほしい」と強調した。報告書を受け取った県教委の榎田好一教育長は「各学校に配り、県全体の学力向上につなげていく」と述べた。(村田拓也)


 広島県の全国学力テストの結果 小学6年は公立569校で約2万6000人、中学3年では253校で約2万3000人が受験した。平均正答率は、小6が国語A83・3%▽国語B65・0%▽算数A84・7%▽算数B65・0%。中3は国語A82・4%▽国語B72・0%▽数学A73・3%▽数学B60・6%。A問題は全国平均を2・6―0・8ポイント上回り、B問題でも全国平均と同等以上だった。

(2008.2.14)


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