中国新聞


はしか 入学期へ「予防」
中国地方各大学 接種義務化や対策室


 はしかが昨年に続き全国で流行する兆しがあり、来月新入生を迎える中国地方の各大学が対応を急いでいる。免疫の有無を確かめる抗体検査やワクチン接種を入学時に義務づけたり、万一の事態に即応できる対策室を新設したりするなど、休校につながる集団感染を警戒している。

 岡山大(岡山市)は、医、歯学部の新入生について将来の臨床実習に備え、入学後にワクチン接種を義務化。他の九学部は抗体検査を大学側の負担で実施する。広島大(東広島市)でも医、歯、薬学部で、入学時に抗体検査の証明書の提出を原則義務づける。

 山口大(山口市)は一月末、副学長をトップとする常設の「感染症対策室」を新たに設置。はしかなど感染症の免疫を持たない学生の実態把握に乗り出し、集団発生のリスク軽減策を練る。

 広島修道大(広島市安佐南区)や福山大(福山市)も、入学前に感染症にかかった経歴などを書類で申告させる。新入生への注意喚起の文書配布や、早期診察を呼び掛ける校内掲示などの動きは、他の大学でも広がっている。

 中国地方では昨年五、六月、広島修道大、福山大、岡山商科大(岡山市)の三大学がはしかで休校。他大学も突然の流行に戸惑い、注意喚起や発症者数の把握などの対応に追われた。

 文部科学省学校健康教育課は「大学の枠を超えたサークル活動などによる感染拡大も想定される。地域の大学間での情報共有も流行を防ぐ有効な手段」と指摘している。(藤村潤平)

(2008.3.8)


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