中国新聞


妊婦公費健診を大幅拡充
中国地方市町村
国要請「5回」達成へ


 中国地方の市町村が新年度、公費による妊婦健診の回数を大幅に拡充する方針を示していることが、十七日までの五県のまとめで分かった。広島県の全二十三市町をはじめ、ほぼすべての自治体で厚生労働省が求める「一人当たり五回以上」をクリアする見通しだ。

 広島県内で現在、公費負担による妊婦健診を五回以上実施しているのは、八回と県内最多の庄原市など八市町。五回以下の十五市町のうち十三市町が二回にとどめ、県平均は三・四回となっている。

 県こども家庭支援室によると、新年度は十六市町が公費負担回数の拡充方針を決めている。庄原市が現行から二回増の十回とするほか、厚労省の要請を下回る十五市町が五回に回数を引き上げる考えで、県平均は五・三回に増える。

 岡山県では新年度、五回以上を実施する市町村が現行の十七市町村から全二十七市町村に拡大。十四回の鏡野町をはじめ、三市町村が十回以上とする。現行では約一割しか五回以上としていない鳥取県でも、全十九市町村が四月から実施に踏み切る見通しだ。

 島根県は全市町村議会で新年度当初予算案が可決された後にまとめを公表する方針だが、「全二十一市町村で五回以上となる予定」という。同様の方針をとる山口県も「多くの市町が拡充に向けて努力している」とする。

 出産世帯の負担軽減を目的とする公費妊婦健診の拡充をめぐっては、少子化対策を進める厚労省が昨年一月に「五回程度が原則」として市町村に徹底を要請。必要な財源は地方交付税の増額で措置するとした。しかし、昨年八月の全国調査での市町村の平均実施回数は二・八回。平均で五回を超える都道府県は全体の8・5%と広がりを欠いていた。(加納優)

(2008.3.18)


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