中国新聞


出前講座で親に教育力
広島県教委、独自の教材も


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親の教育力アップに向けて県教委が制作を進めている教材

 広島県教委は新年度、家庭の教育力の向上を図る「出前講座」を県内の全二十三市町で展開する。子どもの成長段階に応じてテーマを選べる独自の教材を使い、PTAの研修会や乳幼児健診時などを活用して各市町で二、三回開催。子や孫とのコミュニケーションの大切さを考えてもらう。

 教材は、出産前から高校卒業まで、それぞれの時期に焦点を当てた二十四の冊子(いずれもA4判、四ページ)で構成している。例えば小学校高学年の子を持つ親向けの冊子は「反抗期」をテーマに、帰宅時間が遅れた子どもへの対応パターンを漫画で紹介。受講者らは意見を出し合い、親子のコミュニケーションの大切さを確認する。

 各冊子とも一回約九十分の講座での利用を想定。県教委が二年間かけて内容を固めており、近く完成させる。講師は県教委の担当者や、教育の専門家らが務める。

 家庭の教育力をめぐっては、二〇〇七年度の県教育モニターアンケートでも、モニター八百四人の90・2%が「低下している」と回答した。要因として核家族化の進展などが指摘されており、生涯学習課は「子育ての悩みの軽減や、親同士のつながりの形成につなげたい」としている。(永山啓一)

(2008.3.21)


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