中国新聞


西条農高 進学指導に力
国公立大へ30人超
3年連続 推薦やAO入試活用


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 東広島市の西条農高を三月に卒業した二百七十人のうち三十一人が国公立大に進学し、三年連続で三十人を超えた。プレゼンテーション能力を磨き、教員も面接や小論文を徹底指導。多様化する大学入試を活用し、専門性を高める選択肢の拡大などを狙った結果だ。

 国公立大は十八校。内訳は島根、県立広島大が各四人で最多。鹿児島、琉球大が各三人、広島、尾道、広島市立大が各二人で続く。大半が推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試を活用し、学部は農、工学系が中心となっている。

 一九九〇年代後半からは十人を超え、増加傾向だった。二〇〇〇年度に県の学力向上対策重点校となってからは「地域の信頼を得るには『出口』の充実が必要」として進学指導にも力を入れた。

 入学時から課題発表し、二年秋から模擬面接を重ねる。一人の生徒を専門教科、英語や数学などを担当する普通教科、進路指導の三教員がサポートする。

 広島大生物生産学部にAO入試で合格した岡崎翔太君(18)は「勉強の成果を、普段通り発表できた」と喜ぶ。

 私立大、短大、専門学校を加えた進学組は卒業生の約八割。一方で、農業関係者からは「後継者不足の農業は即戦力の若者が必要」との指摘もある。

 進路指導担当の田原祥文教諭(48)は「進学はあくまで専門性を高めるための選択肢の一つ。将来は農業を支える人材となるはずだ」と強調する。(下久保聖司)

(2008.4.3)


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