中国新聞


周産期医療整備へ
東広島市「若い世代に安心を」


 東広島市が属する広島中央二次保健医療圏内で安心して出産ができるよう、市は本年度、初めて地域産科医療基本構想の策定に取り掛かる。

 医療圏は、東広島、竹原市、大崎上島町の二市一町がエリア。二〇〇六年の東広島市の総出生数千六百七十二人のうち、五百六十三人(33・7%)が圏域外で生まれた。さらに一五〇〇グラム未満の十三人はいずれも、広島、呉市の病院で取り上げられた。

 圏域外出産の背景には、不十分な医療体制がある。市内の公的病院に産科がなく、高齢出産や早産などのハイリスクな分娩(ぶんべん)に対応する地域周産期母子医療センターも整備されていない。

 圏域内で分娩に対応する医師は六人で、〇五年は一人当たり二百八十二件。県内の七つの医療圏で最も多く、医師の負担も重い。

 市は、圏域内の中核的病院である独立行政法人東広島医療センターへ周産期医療の機能を持たせることを目指し、関係機関と協議する。市保健センターは「若い世代が安心して出産できる体制を整備したい」としている。(治徳貴子)

(2008.4.15)


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