中国新聞


定時制帰宅 救いのバス
高台新校舎移転の可部高
地元タクシー会社が運行


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可部高定時制の生徒の帰宅用に運行を始めたマイクロバス

 高台の新校舎に今春移転した可部高(広島市安佐北区)定時制の生徒が帰宅しやすいよう、14日夜、地元の黒田タクシーがマイクロバス運行を始めた。近くまで路線バスが運行されず困っていた学校の要請を受けた。

 原則、午後九時十分の授業終了後に学校を出発する一便とする。初日は終業時間が早く八時に出発、国道54号やJR可部駅など三カ所で生徒を降ろした。路線バス並みの定額料金で、一カ月ごとの定期券購入方式とした。利用者見込みは二十人だったが、十一人でスタートした。

 学校と国道54号との標高差は約五十メートル。通学路は国道につながる市道二キロか、のり面の階段となる。当初は民間バス会社が中国運輸局に路線延長を申請したが、学校前の道路が行き止まりでバスが回転できないため県公安委員会から安全に問題があると指摘され、申請を取り下げた。

 黒田タクシーの黒田耕而社長(60)は「利用状況によって車種変更も検討しながら、地域貢献として続けたい」と話している。(西村比登志)

(2008.4.16)


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