中国新聞


広島市立特支学校建て替え問題
出島移転で基本計画
6月にも設計予算案


photo
市教委の担当者(右端)から移転・建て替え計画を聞く保護者たち

 老朽化や慢性的な教室不足による広島市立広島特別支援学校(中区大手町)の建て替え問題で、市教委は十五日、出島地区(南区)の埋め立て地移転を前提に施設配置などの基本計画をつくり、早ければ六月の市議会定例会に設計予算案を提案する方針を明らかにした。

 保護者会が中区で開いた初の説明会で市教委が約四十人を前に報告した。二〇一〇年度の新校舎の完成目標が一二年度にずれ込む見通しにも触れ「子どもたちに迷惑を掛け申し訳ない」と陳謝した。

 市教委によると、敷地二・五ヘクタールに、普通教室(約六十学級分)、特別教室が入る校舎▽バスターミナル▽農園▽大小アリーナがある体育館―などの概略配置図を六月中に作成。補正予算案に設計費を計上する方針である。

 七月以降、概略配置図を基に保護者から意見を聞き、詳細な設計に反映させるという。

 一方で、出島地区に移転する場合、県港湾計画で定めたメッセ・コンベンション等交流拠点から、学校用地への使途変更が必要。法的には県審議会の承認を得なければならないが、前段となる市と県の協議が「出島全体の活用の考え方」をめぐって難航している。

 こうした現状から市教委は当初計画から二年遅れの建て替えを急ぐため、並行して設計を進める判断をした。

 この日の説明会では、保護者から教育内容や地域連携、現在地の利用方針などについて質問が出た。(岡田浩平)

(2008.4.16)


子育てのページTOPへ