中国新聞


助産師育成へ専攻科
産科医不足 ニーズに対応
県立広島大09年度 看護師ら対象


 広島県は十八日、県立広島大三原キャンパス(三原市)に二〇〇九年度、看護師らを対象とする「助産学専攻科」を開設する方針を県議会文教委員会で示した。中国地方の四年制大では初の試み。産科医師不足でニーズが高まる助産師の育成に力を入れる。

 専攻科の教育課程は一年間。「助産学基礎」「助産学実践」「女性の健康支援」の三領域で二十二科目、三十三単位を学び、修了すれば助産師の国家試験の受験資格が得られる。文部科学省の設立認可の取得を経て、十一月にも募集を始める方針だ。

 定員は一一年度まで十人、その後は十五人とする予定。助産師に必要な看護師資格の所持者か、看護師の国家試験の受験資格のある人が出願できる。

 勤務の過酷さなどから、産科医師の不足は全国的に深刻化。県内でも一九九八年の二百九十一人から、〇六年には二百三十九人に減少しており、リスクの低い出産や女性の健康支援に助産師が果たす役割は大きくなっている。

 一方、〇六年の県内の助産師数は人口十万人当たり一八・五人で全国平均の二〇・二人を下回っていた。

 県立広島大の看護学科の学生は現在も助産師課程を選択履修できる。ただ、看護師課程の授業がない長期休暇中の集中講義や実習での単位取得となるため、時間的制約で十分な技術が習得できないなどの課題もあった。(永山啓一)

(2008.4.19)


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