中国新聞


キャリア教育モデル中学
指定理由「分からぬ」4割
中国財務局、効果検証求める


 二〇〇六年度に国のキャリア教育実践事業の研究指定を受けた中国地方のモデル中学校の四割が、なぜ指定されたのか分かっていなかった―。中国財務局が実施した抽出アンケートで、こんな結果が出た。財務局は「モデル校の特色が乏しく、事業規模が過大」とし、モデル校の厳選や効果の検証を求めている。

 アンケートは国の予算執行に関する財務省の調査の一環。文部科学省の「キャリア教育実践プロジェクト」について中国財務局が四―五月、全国のモデル校千十六校のうち三百五十二校を無為作為に選んで実施した。中国地方では百十六校中、三十八校を抽出して回答を求めた。

 その結果、中国地方ではモデル校に指定された理由について十五校(39・5%)が「分からない」と回答。「従来から積極的に取り組んでいたから」を選んだのは七校(18・4%)にとどまった。「その他」とした十六校(42・1%)のうち十五校は、自由記述欄に「地元教委などの勧めに応じたから」などの趣旨を記入していた。

 同プロジェクトは、中学生の五日間以上の職場体験の普及を目指し〇五年度に始まった。年度ごとのモデル校指定は、地元教委が推薦し、文科省はモデル校に準備費用などを支給する仕組み。〇六年度は四億六千六百万円を支出し、〇八年度も二億三千二百万円を予算化している。

 モデル事業は本来、先進的な取り組みの学校などを指定し、効果を検証して普及を図るのが狙い。財務局はモデル校指定が趣旨に沿っていないケースが多いとし、地域の実情に応じた職業体験の期間設定など柔軟な対応を文科省に求めている。(見田崇志)

(2008.7.15)


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