中国新聞


障害児・生徒
全員に教育支援計画 就職率30%にアップ
広島県教委が「ビジョン」


 広島県教委は、障害のある児童、生徒の自立や社会参加を目指す「県特別支援教育ビジョン」をまとめた。発達障害を含めて個々の状況に応じた教育の充実や就職率アップに向け、具体的な取り組みや数値目標を盛り込んでいる。

 二〇〇七年四月の改正学校教育法施行で盲、ろう、養護学校が複数の障害に対応する特別支援学校になったことや、特別支援学級・学校に通う児童、生徒数の増加など、個々に応じた教育ニーズの高まりを背景に、〇二年度に策定したビジョンを改めた。

 具体的には、学校と医療機関、保護者などと連絡調整をする「特別支援教育コーディネーター」を一二年度までに全公立学校と幼稚園に配置。障害のあるすべての子どもごとに、指導計画や卒業後を見据えた教育支援計画を作成する。

 県内の特別支援学校高等部本科の卒業生の就職率が〇七年度14・8%と、全国平均(23・1%)を大幅に下回っている現状を踏まえ、職業教育や企業との連携を強化。就職率を一七年度までに30%に高めるとしている。

 このほか、特別支援学校の再編にも言及。在籍者数の少ない学校は一定規模の学習集団を確保するため別の学校との統合を検討する▽既存の学校を活用し、複数の障害がある子どもに対応できる態勢を整える―などとしている。(永山啓一)

(2008.7.24)


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