中国新聞


子育て支援 地域開放
浜田の刑務所内「あさひ子ども園」で事業開始
来春開園まで相談や交流


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木材をふんだんに使った子ども園のホールでくす玉を割る園児

 浜田市旭町の島根あさひ社会復帰促進センター(刑務所)内に開園する「あさひ子ども園」の施設で一日、子育て支援拠点事業の開始式があった。幼稚園と保育園の一体施設として来春開園するまでの八カ月間、無料の育児相談や親子交流の場となる。センターの地域開放施設で一般利用が始まったのは初。職員宿舎では刑務官の入居も始まり、十月開業に向け準備が進んでいる。

 来春閉園し、こども園に移る市立今市保育所の母子や行政関係者ら百人が出席。市から事業を受託し、子ども園も運営予定の社会福祉法人誠和会(浜田市港町)の森脇良孝理事長が「現場の意見も入れて設計した立派な施設」などと紹介した。誠和会のみなと保育園と今市保育所の園児らがくす玉を割った。

 子ども園は、木造平屋八百七十平方メートル。大林組などでつくる刑務所の運営会社が建設した。内装に木材をふんだんに使い、六つの保育室、多目的スペース、給食調理室などがある。

 支援拠点事業は月−金曜の午前九時から午後五時までで保育士ら二人が常駐。保護者同伴なら無料で利用できる。育児講座や小中生らの交流事業も開く。

 子ども園があるセンター地域交流エリアでは来客センターや武道施設、盲導犬施設などが七月中旬までに完成した。一部の利用は近く始まる。

 隣接する職員宿舎も五棟が完成し、七月末から入居が始まった。三日までに渡部志郎センター長ら五十五人の職員が第一陣として到着。本年度末までに計百三十人の職員と家族約七十人が転入する。

 受刑者の収容棟などがある収容施設エリアでは保安設備など最後の工事が進んでおり、九月中旬に完成する。(田中伸武)

(2008.8.2)


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