中国新聞


校内暴力1099件 対教師が深刻
昨年度の広島県内公立校
いじめ微減 中学では増


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 広島県内の公立学校で二〇〇七年度に発生した暴力行為の件数は千九十九件で、前年度と比べて三十七件増えたことが、県教委の調査で分かった。いじめの認知件数は八件減の七百七十六件。ともに小学校では減少したが、中学校での増加が際立っている。

 県教委指導三課は、中学校での問題行動の増加について「対人関係能力や家庭の教育力の低下の影響が大きい」と分析している。

 暴力行為の学校種別の内訳は、小学校が八十九件で前年度比三十二件減と大幅にダウン。一方で中学校は六十五件増の七百八十四件、高校が四件増の二百二十六件となった。

 暴力の形態別では、生徒間が最多の59・3%を占め、次いで器物損壊18・4%、対教師17・3%などだった。対教師暴力の発生件数は百九十件で、過去五年間で最も多かった。

 いじめの学校種別の内訳は小学校が四十四件減の二百三十一件、高校が五件減の九十二件となる半面、中学校は三十八件増の四百四十三件、特別支援学校は三件増の十件となった。内容は「冷やかしや、からかい」が最も多く41・4%で、「集団による無視」の16・0%が続いた。また「パソコンや携帯電話での中傷」が5・0%と1・6ポイント増えたのが目立った。

 県教委は本年度、新たに元教員や臨床心理士らを「スクールソーシャルワーカー」として広島や呉など県内五市に配置するなど、指導体制の強化に乗り出している。(永山啓一)

(2008.8.23)


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