中国新聞


全国学力テスト
学校別成績公開は「必要」
福山市教育長 「水準向上に有効」


 成績公開の是非が議論されている全国学力テストについて、福山市の高橋和男教育長は二十二日、市議会本会議で「市の学力水準を向上させるために有効な取り組みであり、公開も必要と考えている」と述べ、学校別の成績公開も支障ないとの認識を示した。

 市教委によると、市内には百十四校の小中学校があるが、個人差が結果に反映されやすい小規模校を除いた小学校三十五校、中学校七十四校が自校のホームページなどで昨年度の自校の成績などを公開。全国や県、市の平均正答率などと比較し、不得意な分野への対応策など改善計画も併せて示している。本年度の成績も今月中には公開される見通し。

 「学力を把握するのが目的で学校の順位付けが狙いではない」「競争過熱を引き起こしかねない」などと公開を見送る市町村教委も多い。しかし福山市教委は、改善計画の策定・公開を各校に指導することで学校ごとの成績を事実上公開するよう促している。

 高橋教育長は学力テストを「学力や生活習慣などをきめこまかく把握分析し、指導や教育施策に生かすために有効」と説明。「調査結果を踏まえた改善計画を公表することは、保護者や市民に対する説明責任を果たす学力調査実施要領の趣旨に沿う」と述べた。

 市教委指導課は「公開・非公開の最終的な判断は学校長にあるが、学校単位で対策を講ずるためには公開は必要。公開に伴う苦情や混乱は現時点ではない」としている。(吉村時彦)


 ■三原市教委、正答率示す

 三原市教委は二十二日の市議会全員協議会で、全国学力テストの市内の正答率を報告した。

 四月、市立小中計四十校の小学六年と中学三年の計約千六百人が、国語と算数(数学)で基礎知識を問うA問題と活用力をみるB問題の計四科目で受けた。小学生は算数Bが全国平均を0・8ポイント下回る50・8%。ほかは同A74・5%、国語A68・4%、同B52・4%で1・9―3ポイント上回った。

 中学生は国語Aが0・2ポイント低い73・4%。同Bは61・4%、数学Aは66%、同Bは49・9%で全国を0・6―2・9ポイント上回った。市教委は、基礎が定着する一方、活用力に課題のある全国傾向と共通すると分析する。

 学校単位の結果公表は学校長の判断に委ねているが、市教委によると、昨年度は各校がホームページや保護者との懇談で報告している。(金井淳一郎)

(2008.9.23)


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