中国新聞


栄養職員 近隣校も兼務
広島市教委方針 食育充実目指す


 広島市教委は、市立の小中学校の約三分の一に配置する学校栄養職員・教諭に、近隣の未配置校も兼務させる方針を決めた。アレルギー対応や食育の充実を図る狙い。今月から三カ月試行して計画をまとめ、来年度以降、全校をカバーできるよう順次拡大していく。

 栄養職員・教諭は栄養士の資格を持ち、給食の栄養管理などを担当。国は児童生徒数五百五十人以上の小中学校に各一人、五百五十人以下は四校に一人の基準を設け、市教委はそれに沿って計二百五校のうち七十二校に栄養職員、三校に栄養教諭を配置している。

 未配置校は担任や給食調理員がアレルギーの相談や給食の配慮、食育の授業などをしてきた。試行では、十校の栄養職員・教諭が未配置の近隣校も担当し、現場の負担の実際を確認。別の配置校四校では専門性をそれほど必要としない業務を一般教員が代行し、他校と兼務しても大丈夫かをチェックする。

 アレルギーに配慮した給食が必要な児童・生徒は、二〇〇五年度の市教委の調査で八百七十二人で、前年度比で二割増だった。市教委は「財政が厳しく、増員は困難。現状の人員で最善の策をたてたい」と説明する。

 市教職員組合(全教)は「全校一人が望ましいが、アレルギー対応や食育は早急の課題。現場の負担が増えない仕組みを」と求めている。福山市、尾道市、東広島市は既に複数校担当を実施している。(水川恭輔)

(2008.11.7)


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