中国新聞


大田市立病院に保育所
公立病院で島根県内初
看護師確保へ24時間


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くす玉を割って開所を祝う利用者の看護師や竹腰市長(左から4人目)

 島根県内の公立病院で初めての院内保育所が大田市立病院に完成し、今月から保育を始めた。夜勤時も子どもを預けられる二十四時間対応。同病院は看護師不足で昨年十二月から五階病棟を休止しているだけに、市は院内保育所を看護師らの復職や離職防止の切り札として期待している。

 病院敷地内にある旧看護学校の建物を再利用した「たんぽぽ保育所」。約二千五百万円かけて改装し、約百平方メートルの平屋と約二百三十平方メートルの園庭を備える。病院職員の生後八週間から就学前の子どもが対象で、定員二十人を四人の保育士がみる。既に看護師四人が利用を始めた。

 保育業務は、公募選考で広島市の民間業者が受託。教育熱心な病院職員のニーズに応えるため、音楽教育「リトミック」も取り入れる。運営費は一部、市が一般会計から繰り入れて支援する。

 十八日に開所式があり、竹腰創一市長らがくす玉を割って祝った。長女を預ける看護師小原恵子さん(28)は「日曜もみてくれるので助かる。夫も夜勤の仕事なので、夜間保育があれば夜勤を再開できる」と喜んでいた。

 同病院の看護師(看護助手などを含む)は二百十人いるが、出産・育児休暇や夜勤免除者が多く、五階病棟の再開には夜勤可能者があと十人必要。病院によると院内保育所の開所で「育児休暇を早く終えてもいい」との声が出始めたという。

 竹腰市長は開所式後、「働きやすい環境をPRし、五階病棟の復活につなげたい」と意欲を示した。(馬場洋太)

(2008.12.22)


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