中国新聞


就学援助 5年で28%増
中国地方 昨年度
広島市4人に1人


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 家庭の経済的な事情で給食費、修学旅行費などの就学援助を受ける小中学生が、中国地方で急増している。昨年度の五県の受給者は約十万五千人。五年前より三割近く増え、広島市では児童生徒の四人に一人が援助を受ける。派遣社員など、収入が少ない非正規労働者の増加を反映し、生活困窮が広がる実態を裏付ける。(岩崎秀史)

 ▽困窮実態裏付け

 就学援助は学校教育法などに基づき、生活保護を受けるなどする低所得の世帯に市町村が支給する。

 二〇〇七年度の五県の受給者は、広島約四万千六百人、山口約二万九千人、岡山約二万二千人、島根約六千四百人、鳥取約六千人で、計十万五千二百四十六人。少子化で児童生徒数は年々減っているのに、受給者は〇二年度より28・9%増。児童生徒の六人に一人が受けている。

 広島市の受給は岡山県全体を上回る約二万四千三百人。ここ十年で倍増した。全児童生徒に占める受給者の割合は25・5%で、四人に一人が援助を受ける。政令市では大阪市(38・1%)、新潟市(27・1%)に次ぐ。

 〇七、〇八年度は当初見込みより受給者が多くなり、それぞれ二億円、九千万円を追加した。市教委学事課は「非正規雇用など低所得の人が増えているのが急増の原因とみられる」としている。

 総務省の労働力調査によると、派遣社員やアルバイトなど非正規の労働者は年々増加。今年七―九月の平均で、役員を除く従業員の34・5%、千七百七十九万人が非正規職員。五年前に比べ二百七十一万人増えた。

(2008.12.25)

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