中国新聞


塾と連携し補充授業
東広島・松賀中
市内初 来月までの受験期


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教諭とボランティアの塾講師が一緒に指導する補充授業

 東広島市西条町の松賀中は十三日、放課後の教室に民間の塾講師を招き、生徒に受験対策に重点を置いて指導してもらう補充授業を始めた。市内では初めての取り組みで、学校教諭に実践的な指導ノウハウを吸収させるのも狙いだ。

 「スーパーパワーアップ学習」と題した補充授業は二月末まで、主に月、木、金曜日の週三回開く。三年生全員の百二人が自由参加でき、受講無料。

 市内の個別進学塾「成海学館」から無償で講師三−五人を派遣してもらい、英語、数学、国語の三教科を教わる。生徒の希望するレベルなどに応じて三クラスに分けた。

 初日は数学の授業で公立高の出題傾向を説明。図形問題を解くこつとして、問題用紙の図を使わず、自分で描いて全体のイメージをつかむよう教えた。

 塾代表の竹中大道さん(29)は松賀中の卒業生。母校に何か恩返ししようと考え、校区内の住民を通じてボランティア講師の派遣を提案した。

 縄手洋幸校長は「生徒の学力向上はもちろん、講師の指導法に触れた教諭が今後の指導の参考にしてもらえれば」と歓迎。市教委も「受験時期は教諭も多忙でありがたい」としている。

 市内の小中学校では二〇〇三−〇五年度、広島大生らが放課後に勉強を教える「放課後学習チューター」などがあったが、塾講師は初めて。全国では、東京都の杉並区立和田中の「地域本部」と進学塾が、昨年一月に有料特別授業を始めて話題になった。(小山顕)


クリック 杉並区での有料特別授業 受験対策を目的に和田中の元PTAメンバーらでつくる「地域本部」が昨年1月、進学塾「SAPIX」(東京)と協力して2年生を対象に1年間の授業を開始。原則月2万4000円の料金や塾講師の派遣に対し、識者らの評価が分かれた。

(2009.1.14)


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