中国新聞


小児科入院を休止
府中総合病院 常勤医引き揚げ
休日・夜間対応も 来月から


 府中市鵜飼町のJA府中総合病院が四月一日から小児科の入院と休日・夜間対応を休止することが十一日、分かった。現在一人いる小児科の常勤医師を派遣元の広島大学医学部が引き揚げるため。

 府中総合病院によると小児科は従来、常勤医二人体制だったが、昨年九月末に一人が自己都合で退職。残った一人が内科の協力を得て入院や休日・夜間対応も担ってきたが、二月中旬に広島大から派遣中止を伝えられた。

 病院は常勤医師の確保を急ぐ一方、当面は系列のJA尾道総合病院(尾道市古浜町)から非常勤医師を毎日一人派遣してしのぐ。ただ、診療は平日午前八時半―午後五時に限られるという。

 小児科の専門的な対応が求められるケースの入院が困難になるほか、休日・夜間対応の小児初期救急も難しくなる。開業医の照会や救急搬送を受けて重症患者を診てきた週一回の小児二次救急体制も組めなくなる。

 府中総合病院の小児科の外来患者は昨年四月―今年一月に一日平均五十五人で、うち休日・夜間は同六人。入院は同三人だった。

 同病院では二〇〇四年から同じく医師引き揚げにより、旧市内で唯一だった出産受け入れも休止している。(松本恭治)

(2009.3.12)

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