中国新聞


音楽の授業で自己を磨いて
元高校校長の小川さん 中区にフリースクール開所


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「子どもの心を、音楽の力で少しずつ開きたい」と語る小川さん

 ▽不登校生徒の受け皿に

 三月末に広島音楽高(西区)校長を退いた小川秀樹さん(59)が、中区本川町のビルの一室にフリースクール「広島自由ケ丘学園」を開いた。音楽の時間を盛り込んだ独自のカリキュラムを設け、いじめなどの経験から不登校になった高校生や高校中退者の受け皿を目指す。

 原則月―金曜日の午前十時から午後三時まで通う。高校卒業程度認定試験(旧大検)に向け、参考書などを基に学ぶ。最大十人の少人数制。小川さんが質問に応じ、受験前には元高校教諭らが集中講座も開く。高校生は、在籍校の校長が認めれば、在籍校の出席としてカウントされる。

 学習計画は相談しながら個別に決めるが、音楽に親しむ授業の「ソング」「パフォーマンス」は週一時間ずつ全員が参加する。広島吹奏楽団の指揮者でもある小川さんが合唱や楽器演奏を教える。さらに調理実習や遠足などを通して、生徒同士の交流を深める。

 小川さんは音楽教諭の経験から、不登校だった生徒が音楽との出会いで、生き生きする姿を見てきた。直接指導できる場を求めてフリースクールの開所に踏み切った。「どの生徒にも人から認められたい、との思いがある。自己表現の場を大事にしたい」と話している。月三万円。入会金五万円。小川さんTel080(6313)7644。(田中美千子)

(2009.4.10)


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