中国新聞


算数の病院 児童診ます
周南の元数学教諭河村さん


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計算ドリルを手に子どもたちへの思いを話す河村さん

 ▽自宅で来月から 初歩のつまずき解消

 周南市周陽の元高校数学教諭河村加南子さん(66)が五月十八日から、自宅で小学生を対象にした「算数の病院」を開く。初歩のつまずきをなくすことで、算数を楽しく学んでもらいたいとしている。

 定期的に通う必要はなく、子どもたちが授業などで分からない問題が出てきた時に訪れるスタイルをとる。河村さんが「つまずきやすい」とみる割合や分数の問題では、砂糖と水を使ったり、紙を切ったりして示しながら分かりやすく教える。

 「ただ答えを求めるんじゃなくて、どうしてそうなるのかを順序立てて考える力をじっくり学んでほしい」と河村さん。単にテストの点を上げるような指導はしないつもりだ。

 開院やこうした指導方針を決めた理由には教諭時代の反省がある。「大学受験を控えた生徒のため、内容をはしょって教えることもあった」。不況の中、「塾に通えない子どもが、授業についていけなくなるといけない」との危機感もある。

 河村さんは昨年十月、子どもの教育を支援しようと、地元の元会社員や主婦らが設立したNPO法人長穂チルドレンズ・ミュージアムの理事を務めており、「子どもは未来そのもの。自ら問題意識を持って積極的に質問に来てほしい」と願う。

 算数の病院は第一、第三月曜と第二、第四火曜の午後三―六時。無料。Tel0834(29)2710。(中村哲郎)

(2009.4.22)

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