中国新聞


教諭・保護者の悩み 元校長らが助言
広島市学校保健会「こころの健康相談室」


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受け持ちのケースへの対応を相談する三木さん(左)と奥田さん

 ▽不登校の子どもケアも

 現役の教職員や保護者を対象にした広島市学校保健会の「こころの健康相談室」(中区基町)が、地道な活動を続けている。一九八六年の開設以来、小中学校の元校長が専門医師と教育や育児の相談に応じ、近年は子どもの不登校への対応にも力を入れている。

 市青少年センターの一室で原則、火曜日と日曜日以外の週五日間、電話や来室相談に無料で応じる。相談員は二〇〇六年に担当を引き継いだ二人。元小学校長の奥田典子さん(69)は、市家庭相談員の経験がある。三木斐(あきら)さん(63)は市内の中学校長だった。土曜日のうち月二回は精神科医師も相談業務を担う。

 〇七年度の相談件数は延べ千百八十九件。うち九百十八件(77・2%)は保護者、二百七十一件(22・8%)は教員から寄せられた。子どもの不登校や暴力などの問題行動についての内容が目立つ。親と一緒に直接訪れた小中高生も約七十人いた。

 「家に閉じこもりがちな子どももいる。来ようと思える場にしたい」と三木さん。不要になったパソコン二台を持ち込んだ。勉強用のソフトを使い、ゲーム感覚で学習させる。相談室に通い続け、学校へ行くようになった中学生もいるという。

 教諭たちから寄せられる悩みは「子どもが騒いで授業が進まない」「思春期の女子との接し方は」など、指導上の問題が目立つという。教諭同士や保護者とのもめ事の相談もある。三木さんと奥田さんが経験を基に対処法を助言する。

 精神疾患がある教諭も訪れる。奥田さんは「早く対処するほどいい。秘密は厳守するので、気軽に来室を」、三木さんも「一緒に考えたい。一人で抱えないで」と呼び掛ける。四―六日は休み。相談室Tel082(211)0791。(田中美千子)

(2009.5.4)


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