中国新聞


赤ちゃん訪問利用低調
昨年度 拒否3割
福山市、PR強化へ


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産後4カ月の家庭で子育て支援情報を説明するキラキラサポーター(左)

 ▽経験者が助言・悩み相談

 生後四カ月未満の乳児がいる家庭に育児や健康診断の情報を届ける福山市の「こんにちは赤ちゃん訪問事業」が低調だ。国の補助事業に、訪問員に市民ボランティアを充てる独自の手法も加えているが周知がいまひとつ。二〇〇八年度は三割余りが利用を拒んだ。市は本年度、事業をあらためてPRした上で、同意が前提だった訪問を原則ルール化するなど対策を強める。(門脇正樹)

 市によると、〇八年度に出産した市民四千四百六十三人のうち、事前の同意確認で、市が子育て経験者を対象に養成したボランティア「キラキラサポーター」の訪問に応じたのは二千六百十四人(58・6%)▽「専門家に来てほしい」など拒否が千四百二十人(31・8%)―。残りは「里帰り中」など不在で連絡が取れなかった。

 拒否した家庭には保健師が出向くなどフォローしたものの、最終的な訪問率は全体の七割程度にとどまった。

 キラキラサポーターの会の藤井典枝副会長(47)=同市大門町=は「子育て経験を若いお母さんに伝え、引き出した悩みを行政につなぐのが役目。話し相手として気軽に受け入れてほしい」と訴える。

 市は出生届の関連資料に事業の説明書きを添えるなどPR強化。現在、訪問員として約百二十人いるサポーターを増員するため七―十二月に計十回、養成講座も開く。市保健所総務課Tel084(928)1164。


クリック こんにちは赤ちゃん訪問事業 子育て支援情報の提供など対話を通じて母親の心身状況や養育環境を把握する。乳児家庭の孤立を防ぎ、虐待を予防、早期発見する狙いもある。訪問員は保健師や助産師などが務めるのが一般的だが、福山市では原則、キラキラサポーターに訪問を委ねている。

(2009.5.28)


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