中国新聞


子ども図書館 来月閉館
イトーヨーカドー福山店 「利用者が減少」


 ▽残念がる声相次ぐ

 毎日読み聞かせ会を開くなどして地域に根付いていたイトーヨーカドー福山店(福山市入船町)の子ども図書館が9月23日限りで閉館することになった。利用者が減り、地域貢献の役割を終えたと判断したという。利用者たちからは残念がる声が相次いでいる。

 福山店によると、同店だけでなく全国的に利用減が進んでいることから事業の幕引きを決めたという。加古川店(兵庫県加古川市)堺店(堺市)も閉館する予定で、すでに折り込みチラシなどで告知した。今後は、より広い年齢層対象の社会貢献事業を始める予定というが、内容は決まっていない。

 福山店の子ども図書館は1999年、開店と同時にオープン。広さ109平方メートルに絵本を中心に約8200冊を所蔵している。利用は無料。司書1人を含むスタッフ4人が毎日絵本の読み聞かせ会を開くなどし、子どもが集まる拠点になっていた。利用のピークは2003年の9万1456人だったが、昨年も4万9230人もの利用があった。

 月2回程度利用しているという福山市南蔵王町の主婦増本愛佳さん(32)は「閉館の知らせが突然で驚いた。常連も多く、納得いく説明がほしかった」と話していた。読み聞かせに来ていた市内のパート女性(38)も「閉館までもう少し時間があればよかった。何とか続けてもらえないか」と残念がっていた。

 同店は「子ども図書館は30年も続いた事業で、閉館はコスト軽減のためではない。今後は市への本の寄贈なども含め、対応していきたい」と説明している。(与倉康広)

(2009.8.5)

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