中国新聞


郷原保育所を民間譲渡
来年4月 呉市立で初
統合・民営化計画改定へ


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呉市立として初めて民間への譲渡が決まった郷原保育所

 呉市は来年4月、市立保育所として初めて郷原保育所(郷原町)を民間へ譲渡する。2006年度策定の「統合・民営化基本計画」に基づく措置。市は今後も民間への譲渡や委託(指定管理など)を順次進めるとし、来年度から計画の改定作業を始める。

 譲渡先は現在、指定管理者として郷原保育所を運営する社会福祉法人、呉同済義会。指定期間の本年度満了に合わせ、民間への施設の無償譲渡を決めた。8月下旬からの市の公募に呉同済義会が唯一応じ、選ばれた。

 安全対策のため市が敷地内ののり面を約1700万円で整備した上で、土地は無償で貸す。18日の市議会本会議で関連の条例改正案が可決された。

 郷原保育所は05年に指定管理者制度を導入し、市直営と比べて市の負担を年間平均約1千万円圧縮。譲渡により、市が支出していた50万円以上の施設改修費は今後、原則として民間が負担する。

 市の統合・民営化基本計画は、少子化や行財政改革を受け、サービスの質向上を掲げて策定。郷原と旧市内の7保育所は指定管理や民間譲渡▽継続して20人以上の入所が見込めない21保育所は統合―などの方針を示した。そのうち郷原、吉浦、坪内保育所が指定管理者制度を導入、8保育所が廃止した。

 計画の実施期間は10年度末までで、来年度から改定準備をする。市は「新計画では地域の拠点や障害児保育など公立保育所の役割を明確にし、民営化の時期や手続きなども整理したい」としている。(新本恭子)

(2009.12.19)


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