中国新聞


学力テスト抽出方式
広島など22市町自主参加
対象外の小中各教委方針 福山市は見送り


 文部科学省が2010年度から抽出方式に切り替え、規模を縮小する全国学力テストについて、広島県内23市町のうち広島市など22市町の教委が、抽出対象にならなかった小、中学校を自主参加させる方針であることが27日、分かった。唯一、見送る福山市教委は「新たな費用負担をしてまで実施する効果は少ない」としている。

 文部科学省は、全国学力テストを小学6年と中学3年の全員を対象に実施してきた。政府の事業仕分けを受けて10年度から、対象校を約3割とする抽出方式への変更を決定。県内では小学校137校、中学校121校が選ばれた。対象外の学校が参加を希望する場合、国が問題を人数分配るが、採点や分析は自治体負担となる。

 県内では、22市町教委が「各校の学力を全国比較で把握したい」と自主参加の意向だ。これに対し、福山市教委は「採点や分析を業者委託する費用負担は難しい。学校での採点となると採点基準の違いが出て、データの信頼性が薄れる」と自主参加を見送る。

 採点、分析費用を予算化して業者に委託するかどうかについては、自主参加を決めた市町教委も判断が分かれている。

 東広島市教委は「財政的に余裕はない。学校単位で採点、分析し、それぞれで活用してほしい」との方針を示す。一方、府中市教委は「各校での採点は客観性確保の面で問題がある」、三次市教委は「学校現場には新たな負担をかけない方向」という。

 県教委は「全国学力テストに自主参加する市町教委への財政支援は考えていない」としている。(永山啓一)

(2010.1.28)


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