中国新聞


ヒブワクチン費用助成
笠岡市 今秋以降から半額程度
乳幼児の細菌性髄膜炎予防


 笠岡市は乳幼児の細菌性髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)を予防するヒブワクチンの接種費用の公費による一部助成を始める。ワクチン不足の解消が見込まれる今秋以降に実施する。

 定住促進・子育て支援策の一つ。公費助成は東京都世田谷区などが始めているが中国地方では珍しい。県健康対策課は「県内で聞いたことはない」とする。

 ヒブワクチンは任意接種で1回7千円前後。生後2〜7カ月の間に3回、1年後に1回打つ。保護者は4回で計約3万円の高額負担となる。

 笠岡市では、昨年12月の市議会定例会で公費助成を求める質問があり、市が検討を表明。半額程度の補助の方針を固め、実施方法などについて笠岡医師会と調整している。

 市によると、細菌性髄膜炎は脳や脊髄(せきずい)を覆う膜に細菌が感染し炎症を起こす病気。約6割はヒブが原因で5歳未満の乳幼児2千人に1人の割合で発症。約5%が死亡、約20%に難聴などの後遺症を残すという。

 ヒブワクチンは1990年代に欧米を中心に導入されて効果を挙げ、日本では2008年12月に販売が始まった。現在、供給が追いつかず、製造元が生産を増やしている。

 市は「安全で効果が高いと聞く。供給が整い次第、助成を始める」(市民部)と話す。(杉本喜信)

(2010.2.10)


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