中国新聞


広島県立2高に送迎車両
安芸高田市検討 生徒確保へ通学支援


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 安芸高田市が市内にある広島県立2高校(向原、吉田)への通学支援策を検討している。同市へのバス便がない三次市三和町からの通学生向けに、市の補助で送迎車両を走らせる構想。市内の路線バスにも夜の下校便追加を働きかける。通学を便利にし、2校の生徒確保を後押しする狙い。4月運行開始を目指す。県立高の地元自治体が、エリア外からの通学に便宜を図ることについて県教委は「聞いたことはない」としている。

 市によると、三和町から2校への通学送迎は、JR芸備線利用を前提に、甲立駅と三和町の間で運行。地元タクシー業者の車などを使う。登校1便、下校2便で、自宅近くまで乗り合い方式で送迎する。

 市は生徒の利用料と実際の費用との差額分を補てんする。市の新年度予算に計上する市公共交通協議会への負担金(総額1億4770万円)から賄う。

 市北東部から吉田高への通学用には午後7時半ごろ出発する下校バス便の増発を図る。吉田を経由する美土里行きと、甲立駅経由高宮行きの2路線各1便を想定している。

 いずれも市内運行区間は一般市民の利用も検討する。

 三和町内では昨年、甲立駅との間を結ぶ路線バスが撤退。多くの生徒は保護者によるマイカー送迎に頼るのが実情だ。三和町内からの通学生は向原高9人、吉田高5人。

 吉田高は、市北東部向け下校の最終バス便が午後6時発(国道54号沿い八千代方面を除く)と早い。同校によると、部活などでバス利用できない市北東部の生徒は本年度66人。

 市政策企画課は、昨年末から対象地域の保護者の意向を聴取。「市外への進学流出を食い止め、将来の定住につなげたい。来月初めにまとまる利用ニーズを受け、運行案を練りたい」としている。(澄田真)

(2010.2.10)


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