中国新聞


遺児年金廃止案を可決
福山市議会民生福祉委 国の施策充実受け


 親のいない子どもを支援する福山市の遺児年金が廃止される見通しになった。約40年前に設けた市独自の制度だが、市議会民生福祉委員会で12日、市遺児年金条例を廃止する議案が賛成多数で可決された。

 衆院委で12日に法案が可決された子ども手当など国の児童福祉施策の充実を踏まえた判断。25日の市議会本会議で議案が可決されれば、2010年6月の支給が最後になる。

 市遺児年金は1971年、親と死別、離別した18歳未満の子どもの福祉の増進を目的に設立された。

 両親ともいない場合は年4万1千円、いずれかがいない場合は年2万2千円を、子どもの養護者に半額ずつ6月と12月に支給してきた。09年度の対象者は6735人で、市の負担は約1億4800万円だった。

 市は@子ども手当の創設A父子家庭への児童扶養手当の拡充B高校の実質無償化―など国の施策により「遺児年金を大きく上回る支援がなされる」などと判断。10年度の予算編成作業の中で打ち切りを決めたという。

 12日の市議会民生福祉委では、市遺児年金条例を廃止する議案を賛成多数で可決したが、賛成した市議からも「国の制度が後退した場合は、遺児年金の復活を」と求める声も出た。(門脇正樹)

(2010.3.13)


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