中国新聞


小児救急医療を守れ
深刻な医師不足で余裕なし
市民ら60人シンポ 中区


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小児救急医療の支援態勢について意見を交わす医師や市民団体の代表

 シンポジウム「みんなで支えよう小児救急医療」(広島県、県医師会主催)が28日、広島市中区の国保会館であった。市民や医療関係者たち約60人が参加し、深刻な医師不足の中で小児救急医療を守る方策について考えた。

 広島大大学院医歯薬学総合研究科長の小林正夫教授を座長に、医師や、子育て支援をする市民団体の代表たち7人が討論した。

 市立舟入病院の兵藤純夫小児科部長は、同病院小児科の現状を報告。2008年度の休日・夜間の受診者は4万人と10年前から倍増したが、多くを軽症者が占めているとし「患者数が多く、医師に余裕はない」と訴えた。

 別の医師は「救急医療が必要なケースについて、保護者向けの勉強会を開くなど、患者側の理解と協力を得ることが不可欠」「相談電話の充実は現場の負担軽減につながる」と指摘した。

 市民団体の代表たちからは「医療機関は、小児科救急の現状に関し、もっと情報を発信した方がいい」「子育て経験がある母親のネットワークを広げることが、小児医療現場の支援にもなる」などとの意見が出た。

 討論に先立ち、北九州市立八幡病院の市川光太郎院長の講演もあった。


(2010.3.29)


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